アルメニアの日本人と日本との関係

日本からアルメニアを考えた場合、地理的な距離よりも心理的な距離のが遠いアルメニア、日・アルメニア関係はどうなっているのだろうか。

アルメニアの日本人

どこの国でも日本人の長期滞在者はいるものだが、この国はその数が非常に少ない。アフリカの国のほうがきっと多いだろうな。記憶の範囲だが旧ソ連圏では最大がモスクワで約1500人、タシケントがその10分の1で約150人となっている。

もう少し正確なデータで説明すると、外務省がまとめている外務省在留邦人統計というのがありその最新版である平成21年度報告書によると、全世界の在留邦人数は113万人、昨年度より減少している。中東欧、旧ソ連圏の合計が約8000人、うち永住者は931人、ロシアは2137人(H21年)で33位にランクされている。在留邦
人は、永住者と長期滞在者から構成されて統計が取られている。

■外務省在留邦人統計H21年度

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/10/pdfs/1.pdf

それでアルメニアにはいったい何人の日本人が長期滞在しているのか?

在留届数によると5人である(2010年9月)。私もその一人であるが、他に国連機関1人、日本語教師2人、某大使館職員の配偶者1人となる。

余談だがその中の日本人教師が下記の「アルメニア滞在記」というブログを書いている。

■アルメニア滞在記

http://armeniajapan.blog54.fc2.com/

広島へ折鶴と灯籠を送るアルメニアの子供たち

8月6日はご存知のとおり広島原爆の日であった。広島では65年目のこの日、平和祈念式典が行われ、国連事務総長や米英仏の代表も初めて参列し、歴史の一幕をつくった。犠牲者の霊を慰めるため原爆ドーム脇の元安川では、8000個の灯籠が流された。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100807k0000m040066000c.html

http://mainichi.jp/select/wadai/graph/20100806/

この中にアルメニアの子供たちが作った灯籠が200ほど含まれている。2005年から毎年アルメニアの子供たちが、広島原爆の日に合わせて灯篭と千羽鶴を広島へ送っているのです。

きっかけは、日本の文化に造詣が深く、子供たちに折り紙を教えているカリネさんという女性が、子供たちに原爆の犠牲者となった佐々木貞子さん(2歳のとき黒い雨により被爆)の話をしたことに由来する。お見舞いとして送られた折鶴を契機に病院では折り紙で千羽鶴を折れば元気になると信じてツルを折りつづけた。

この話に賛同してアルメニアからも子供たちが折鶴と灯籠を作り贈るようになったようだ。佐々木貞子さんは、広島平和記念公園にある原爆の子の像のモデルともなっている。

一度、このカリネさんにお会いしたことがある。折り紙の話ではなく、日本文化センターの立ち上げに係わる相談だった。現在、日本文化を紹介する組織を立ち上げようとしているのだが、施設の修復と事務用品の整備に資金が要る。ということで日本政府が実施している草の根文化無償を申請したいのだが、という内容だった。

3月には雛祭りを行うので是非ともお出でいただきたいとのこと、マテナダラン近くの小劇場で子供たちのひな祭りが行われた。雛人形は全て折り紙で作られていたのでこれには驚いた。よく出来ていたのだ。政治、経済、社会面を含めてほとんど日本と関係がないアルメニアだがごくごく少数だがこのようなアルメニア人もいるということをご紹介したい。(2010年8月)

エレバン&アルメニアリンク

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